はじめに

2024年1月1日に石川県能登半島で発生した地震は、震度7を記録する大規模な地震でした。この地震により、多くの建物が倒壊し、死者100人、負傷者467人という大きな被害が出ました。この記事では、この地震で建物が倒壊した理由について、地震の特徴や建物の耐震性などの観点から考察します。

地震の特徴

この地震は、石川県能登半島の北東42 kmを震源とする地震で、地震の規模を示すマグニチュードは7.6、震源の深さは16 kmでした。地震の発震機構は、北西-南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、北東-南西に延びる150 km程度の断層が動いたと考えられています。この断層は既知のものではなく、新たに発見されたものです。

この地震は、震源が浅く、断層の長さが長いことから、地表に強い揺れを伝える地震となりました。特に、断層の上に位置する能登半島の先端部では、地震波が増幅され、最大震度7の揺れが観測されました。また、地震に伴って大きな地殻変動が起こり、輪島市西部では最大約4 mの隆起が観測されました。

建物の耐震性

建物が地震に対してどれだけ耐えられるかは、建物の耐震性によって決まります。建物の耐震性は、建物の構造や材料、設計や施工などによって異なります。一般的に、新しい建物ほど耐震性が高く、古い建物ほど耐震性が低いと言われています。これは、建築基準法や耐震設計基準などの法律や規制が、地震の発生頻度や規模に応じて改正され、厳しくなっているからです。

能登半島地震で倒壊した建物の多くは、古い木造住宅や伝統的な建築物でした。これらの建物は、現在の耐震基準に適合していないか、老朽化や劣化が進んでいたと考えられます。また、地震の揺れによって地盤が緩んだり、液状化したりすることで、建物の基礎が崩れたり、傾いたりすることもあります。これらの要因が重なって、建物が倒壊したと推測されます。

家の耐震強度確認と補強の方法

家の耐震強度の確認には、専門家による耐震診断が必要です。耐震診断では、建物の構造や築年数、壁面積、地盤などを調べて、耐震性のレベルを判定します。耐震診断の結果に応じて、必要な補強方法を提案してもらえます。

補強方法にはさまざまな種類がありますが、一般的には以下のようなものがあります。

• 壁の補強：耐震性の高い壁材を増設したり、筋交いや金物を設置したりして、壁の強度を高めます。
• 基礎の補強：基礎にひび割れがある場合は補修したり、基礎コンクリートを増打ちしたりして、基礎の強度を高めます。
• 屋根の軽量化：瓦などの重い屋根材を軽い素材に交換して、建物にかかる負荷を軽減します。
• 減築：2階部分の床面積を減らして、建物の重量を軽くします。
• 免震装置の導入：アイソレータやダンパーなどの免震装置は、コストはかかりますが、建物にかかる揺れのエネルギーそのものを弱めることができます。

補強方法の選択や費用は、建物の状態や予算によって異なります。補強工事を行う場合は、国や自治体の補助金制度を利用できるかどうかも調べてみると良いでしょう。

まとめ

能登半島地震で建物が倒壊した理由は、以下のようにまとめられます。

• 地震は、震源が浅く、断層の長さが長いことから、地表に強い揺れを伝える地震だった。
• 地震に伴って大きな地殻変動が起こり、能登半島の先端部では地震波が増幅され、最大震度7の揺れが観測された。
• 倒壊した建物の多くは、古い木造住宅や伝統的な建築物で、耐震性が低かったか、老朽化や劣化が進んでいた。
• 地震の揺れによって地盤が緩んだり、液状化したりすることで、建物の基礎が崩れたり、傾いたりした。

この地震は、日本の地震史に残る大災害となりました。被災された方々には心からお見舞い申し上げます。今後、地震の発生や余震に注意し、安全な避難や生活を心がけてください。

また、今後もどこで大きな地震が発生するか予測することは困難です。石川県に限らず、特に古い家屋については建物の耐震性を確認し、必要に応じて補強や改修を行うことも大切です。なるべく早く地震に備えることで、被害を最小限に抑えることも可能です。「うちも大きい地震が来たらヤバそう」と感じたら、点検や補修を検討してみてはいかがでしょうか。

最後まで読んでいただきありがとうございました。